海苔の等級についてのお話

今回は海苔の等級について少しお話いたします。
毎年11月末ころから海苔の入札が始まります。
そこに出品された海苔は等級によって入札の札が入れられ価格が決まっていきます。
しかし、実はこの等級は全国統一基準というものがありません。
全国の生産地や入札の行われる時期、出品量などによっても等級は異なります。
今年の1回目の入札で3等級がつけられた海苔と5回目で同じ3等級がついた海苔は同じ
色目や品質ではありません。また、主に海苔の等級は艶や色味、小穴や縮みの有無などの見
た目で決められます。そして、旨味や香りはこの等級とは別物です。それらの等級の基準が
あってないなかにも、毎年続いている入札を長年注意深く見ていくことによって各産地の
生産量や生産品質などの流れを汲み取り、今回のこの産地のこの等級の海苔はこういった
ものだなといった判断につながっていきます。
仕入れ後の海苔は長年の海苔の仕入れに携わってきた当社の中で、等級に加え味や香り、
旨味を総合的に判断し、この海苔は寿司用向きなのかラーメン用海苔向き、おにぎり屋さん
や居酒屋さん向きなのかなどを厳選し、製造加工販売へと繋がっていきます。

高級といわれる海苔は仕入れ時の等級や色艶、香りが一目瞭然です。
しかし、等級が下がっていくにしたがって、色味や艶感などは劣ってきますが、実はご利用
の用途によっては一番ご使用いただきやすい場合もございます。
黒々とした海苔よりも、もう少し鮮やかな緑色の海苔のほうが彩りを添えてくれるといった
お声もいただきます。
また、のり弁など具材の下に敷き込み色艶よりも柔らかさと香りが必要な場合、並ランクの
中でも味わいの深さを重視した海苔を選んでおります。
並ランクの中からご使用の用途に合わせた海苔選びをするのは、長年の経験とプロの目が
試されます。当社では、各産地、海苔自体が持つ特徴のなかから各業種様へ厳選して
お出ししております。